紀要
貴重な文学資料を収蔵しながら独自の発表手段を持たない会員館のために、未公表資料を翻刻して収録、公開し、また収蔵資料についての研究成果などの発表の場とするもので、毎年一回発行し、全国の各大学日本文学研究室その他関係施設、関係者などに配布します。
各号の概要
1号(2008年3月31日発行、本文22頁)
序文 全国文学館協議会会長 中村稔
- 井上靖詩稿「神かくし」 日本現代詩歌文学館 豊泉豪
- 室生犀星資料 軽井沢高原文庫 大藤敏行
- 三木露風資料(三鷹市所蔵) 三鷹市山本有三記念館 福嶋朝治
- 川端康成書簡 茨木市立川端康成記念館 田中洋子
2号(2009年3月31日発行、本文26頁)
- 原民喜 山本健吉宛遺書 日本現代詩歌文学館 豊泉豪
- 草野心平の名刺 いわき市立草野心平記念文学館 小野浩
- 下島行枝悼亡句の原本(芥川龍之介、室生犀星、久保田万太郎筆) 田端文士村記念館 黒崎力弥
- 巌谷小波宛 尾崎紅葉書簡 泉鏡花記念館 穴倉玉日
- 徳田秋聲『縮図』の挿絵(内田巌画) 徳田秋聲記念館 大木志門
3号(2010年3月31日発行、本文36頁)
- 斎藤茂吉 蕨彊堂宛書簡 日本現代詩歌文学館 木村紗矢香
- 深沢七郎の書写原稿 深沢七郎文学記念館 森田進
- 「別れ霜」掲載の『改進新聞』 台東区立一葉記念館 大西望弥
- 五味康祐と「夜の会」─五味康祐の遺品から─ 財団法人練馬区文化振興協会 山城千惠子
- 三島由紀夫の評論「批評家に小説がわかるか」─批評に対する私の態度─が書かれた前後の経緯 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
- 室生犀星 恩地孝四郎宛悼辞 室生犀星記念館 嶋田亜砂子
4号(2011年3月11日発行、本文32頁)
- 佐藤紅緑書簡 弘前市立郷土文学館 舘田勝弘
- 河東碧梧桐〝三千里〟の旅における句会関連資料 日本現代詩歌文学館 豊泉豪
- 「潮騒」の成立をめぐって 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
- 山口誓子「ホトトギス」慰留の顛末 山口梅子(波津女)より橋本多佳子宛て書簡から 北九州市立文学館 中西由紀子
5号(2012年3月31日発行、本文24頁)
- 動産一括という資料の受入れその後―五味康祐の和服資料について― 財団法人練馬区文化振興協会 山城千惠子
- 長谷川海太郎コレクションについて 鎌倉文学館 小田島一弘
- ―三島由紀夫、三十五歳の軌跡をたどる― 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
- 中原中也訳『ランボオ詩集』自筆署名本 中原中也記念館 中原豊
6号(2013年3月31日発行、本文26頁)
- 有島武郎ペン画「羅馬古城壁」について 有島記念館 伊藤大介
- 芥川道章と田端との接点に関する一考察~駒込病院との関係を中心に~ 田端文士村記念館 永井康友
- 檀一雄から芳賀檀あて書簡-一九四六年の『午前』関連- 公益財団法人練馬区文化振興協会 山城千惠子
- 長谷川海太郎コレクションの往復書簡について 鎌倉文学館 小田島一弘
- 「見る三島」と「見られる三島」 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
7号(2014年3月31日発行、本文24頁)
- 近年収蔵の有島武郎関連資料について 有島記念館 伊藤大介
- 小津安二郎日記について 鎌倉文学館 小田島一弘
- 三島、俳句への憧れを語る 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
- 文学館のあり方を問う 全国文学館協議会幹事長 山崎一穎
8号(2015年3月31日発行、本文49頁)
- 有島武郎原稿「神」及び書幅「爾自身を知れ」について 有島記念館 伊藤大介
- 山崎方代の創作ノートにみる言葉の変化 鎌倉文学館 小田島一弘
- 新収蔵 奥田勝宛會津八一書簡について 新潟市會津八一記念館 喜嶋奈津代
- 三島、読書術を語る 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
- 逍遥 鷗外 訳『マクベス』比較考 森鷗外記念館(津和野)館長 山崎一穎
9号(2016年3月31日発行、本文67頁)
- 有島武郎等の全国的な認知度調査について 有島記念館 伊藤大介
- 萩原朔太郎 森房子宛書簡について 田端文士村記念館 田村亜希
- 勝央美術文学館所蔵「吉川英治氏追放解除ノ訴願文」についての考察(翻刻と解題) 吉川英治記念館 片岡元雄
- 雑誌「文學界」と鎌倉 鎌倉文学館 小田島一弘
- 三島、憧れの作家レイモン・ラディケを語る 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
- 杉田久女指導句会誌「かゝり火」について 北九州市立文学館 中西由紀子
10号(2017年3月31日発行、本文45頁)
- 文学館におけるビジュアル展示の可能性―『芥川龍之介 田端の家復元模型』制作について― 田端文士村記念館 木口直子
- 昭和五年の吉川英治―書簡で見る家出事件の顛末 吉川英治記念館 片岡元雄
- 文芸雑誌「文芸首都」コレクションについて 鎌倉文学館 小田島一弘
- 三島、決断の時―『盗賊』から『仮面の告白』へ― 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
11号(2018年3月31日発行、本文56頁)
- 若山牧水のはがき二通 日本現代詩歌文学館 豊泉豪
- 井上ひさしの小説「江戸の夕立」、戯曲「たいこどんどん」の著作資料について~インスパイアされた作品~ 遅筆堂文庫 遠藤敦子
- 与謝野晶子歌稿「山泉抄」について さいたま文学館 大明敦
- 芥川龍之介 没後研究への取り組みと未公開資料の発見 田端文士村記念館 木口直子
- 吉川英治未発表原稿翻刻と解題「私案 中央農産館ノ構想」 吉川英治記念館 片岡元雄
- 与謝野寛 吉岡鹿二郎宛書簡について 鎌倉文学館 小田島一弘
- 『金閣寺』の成立をめぐって 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
12号(2019年3月31日発行、本文76頁)
- 文学館と漫画・アニメのコラボレーションについて ―「文豪ストレイドッグス×さいたま文学館」を例に― さいたま文学館 大明敦
- 「公刊海軍戦史」をめぐって 吉川英治記念館 片岡元雄
- 有島武郎『燕と王子』の原稿について 鎌倉文学館 小田島一弘
- 資料紹介 川端康成「私のふるさと」 茨木市立川端康成文学館 今井瞳良
- 『橋づくし』の成立をめぐって 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
13号(2020年3月31日発行、本文53頁)
- 大熊信行文庫と歌誌『まるめら』について 日本現代詩歌文学館 濱田日向子
- 雑誌「文学の室」について さいたま文学館 大明 敦
- 谷譲次とオリンピック、アムステルダム大会 鎌倉文学館 小田島一弘
- 三島由紀夫、同世代作家らへのメッセージ―北杜夫へ― 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
- 資料紹介 鷗外揮毫の題字・題箋・序文について 森鷗外記念館(津和野) 大山優子
14号(2021年3月31日発行、本文44頁)
- 「井上ひさし没後一〇年企画展」文学館の連携と新収蔵資料について 遅筆堂文庫 遠藤敦子
- 芥川龍之介旧居跡地から出土した近代の遺物 ―(仮称)芥川龍之介記念館建設事業に伴う埋蔵文化財発掘調査の一環として― 田端文士村記念館 木口直子
- 大森直道旧蔵資料について 鎌倉文学館 小田島一弘
- 三島由紀夫の歌舞伎―椿説弓張月を中心に― 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
- コロナ禍における与謝野晶子記念館の活動と反響 与謝野晶子記念館 森下明穂
15号(2022年3月31日発行、本文31頁)
- 中村草田男、石田波郷の書と「東北俳句大会」 日本現代詩歌文学館 八木澤卓
- 小津安二郎、1950(昭和25)年の日記について 鎌倉文学館 小田島一弘
- 当館蔵「晶子自筆歌百首屏風(鼓より)」について 与謝野晶子記念館 川勝美佐子
16号(2023年3月31日発行、本文36頁)
- 岡井隆自筆本「鵞卵亭 抄」 日本現代詩歌文学館 豊泉豪
- 不思議な生原稿 吉村昭文学資料館 桑原文明
- 芥川龍之介の草稿「手巾」と未定稿について 鎌倉文学館 小田島一弘
- 三島由紀夫と蘭陵王 隠し文学館花ざかりの森 杉田欣次
17号(2024年3月31日発行、本文43頁)
- 芥川龍之介「三つの指輪(環)」掲載誌発見の経緯と考察 田端文士村記念館 木口直子
- 鎌倉文学館所蔵の夏目漱石関連資料について 鎌倉市芸術文化振興財団 小田島一弘
- 資料紹介 岡田仁宛 川端康成書簡 茨木市立川端康成文学館 小林和江
会員館には発行の都度1部配布(2部以降は各号1,000円)、会員外には各号 3,000円で頒布しています。